京都府高の見解・声明
管理と競争の「教育改革」推進のための「人事異動方針」は見直すべし!(見解)
2006年11月28日
京都府立高等学校教職員組合常任執行委員会
- 11月24日、京都府教育委員会は「平成19年度教職員人事異動方針」(以下「方針」)・「人事異動実施要綱」(以下「要綱」)を発表しました。府教委は、今回、「方針」に「教育改革を一層推進し、教育効果をさらに高めるため、学校経営体制の充実を図る」という一文を加えました。また「要綱」では「特色ある教育活動を推進するため、教職員評価等を踏まえて教職員一人一人の特性や能力を生かした配置に努める」としています。さらに、その具体化として「教科指導等に極めて優れた教職員の教育力を生かして次世代育成を図り、府全体の教育力向上のため、府立学校に『特任教諭』を配置」「学校経営体制・指導体制の充実を図る。特に、府立学校においては、校長、副校長と共に学校経営に参画する『事務長』を、盲・聾・養護学校に『総括主事』を配置し、一層の充実を図る」「特色ある教育活動の推進〜スペシャリストの配置〜」を新たに打ち出しています。
- 今回の「方針」や「要綱」の「改正」とその一方的な具体化の内容については、教育基本法改悪や安倍内閣の「教育改革」の動きとも相まって京都の教育の根幹にかかわる重大な問題をはらんでいます。
「方針」・「要綱」の「改正」とその具体化の背景には、昨年10月の中央教育審議会「答申」があります。同「答申」では学校の教職員を「企画経営層」と「実践層」に分けて、管理職と一部の教職員によって「学校経営方針」や目標を定め、それにもとづく教育実践を一方的に現場の教職員に押しつけていくことがねらわれています。今回の「改正」と具体化は、「答申」にいう「企画経営層」の学校現場での具体化であり、安倍内閣が教育基本法を改悪して推進しようとしている管理と競争の「教育改革」を現場で貫徹しやくする学校体制の「整備」をはかろうとするものです。
そのために「校長主導の学校体制」のいっそうの確立がねらわれています。「事務部長」の呼称を「事務長」に改めて単に事務部の統括だけでなく学校全体の経営に参画し、学校事務全体を統括し、「副校長」と同列に位置づけています。障害児学校の「部主事」も「総括主事」と兼任にし、担当する学部だけでなく、学校全体に目配りをして校長・「副校長」を補佐していく位置づけにしています。さらに当面、府立高校に新たな「特任教諭」を配置するとしています。「特任教諭」は、「職」ではなく、呼称として教育長が発令するもので、その仕事も教科指導・生徒指導などで所属する学校の研修の企画・運営、府全体の初任研の講師、専門分野の研究、総合教育センターの講師、「達人塾」の講師等を行うとしています。しかし「特任教諭」の選任の仕方やその人数、発令も未定であるなど、まともな検討もないまま、ただアドバルーンだけを上げる府教委の無責任なやり方はきびしく批判されなければなりません。最初は「特任教諭」という呼称で小さく産んで、将来的には「職」と位置づけて賃金・処遇にリンクさせて大きく育てていこうということがたくらまれています。「事務長」「総括主事」と「特任教諭」の発令は、学校を「特色づくり」でいっそう競わせ、学校と教職員をさらなる競争主義にまきこんでいくことがねらわれています。 - 加えて「教職員評価」が、本年度から本格実施になっています。府教委は、この制度を人事や処遇に活用するとしています。「指導力不足教員」特別研修を人事異動とリンクさせることや、「評価・評定」で職場・教職員を分断し、行政による教育介入をねらう「教職員評価制度」など、「新しい人事管理システム」は許せません。少なくとも、11月21日の府教委交渉での「人事に制度としての教職員評価を活用する考えはない」との当局回答の履行を求めるものです。
今回の「方針」は、教育機関としての学校を経営体へと「構造改革」する重大な転換をはかっていく布石となるものであり、従来の方針の重大な変質といえます。 - その先には、教育基本法がめざす父母・国民に直接責任を負う「人格の完成」のための教育ではなく、格差と競争・選別の教育を進め、「愛国心」で国民を統合し、憲法改悪とセットで「戦争のための人づくり」があります。
このような危険なねらいを許さず、憲法・教育基本法を守り抜き、「校長主導」の学校づくりではなく、生徒参加・父母と教職員共同の学校づくりをいっそう進めていくことが私たちに強く求められています。そのためにも、教職員の教育的情熱や意欲をいかす希望と納得にもとづく民主的な人事異動の実現にむけて全力をあげていきます。
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