京都府高の見解・声明
【緊急声明】
これ以上の地元置き去り、学校軽視はない。府教委は府民の大切な財産である府立高校つぶしの方針(案)を撤回せよ。
2005年5月25日
京都教職員組合
京都府立高等学校教職員組合
5月24日付「京都新聞」朝刊は、2009年度に府立城南高校を西宇治高校に統合、2007年度に南八幡高校を八幡高校に統合し、さらにその跡地に新設養護学校を建設する旨の方針を固めたと報道した。田原教育長は、当日急遽記者会見を行い、同様の発表を行った。新聞報道に便乗して前倒しで発表したとも思われる内容である。
このような突然の発表に学校現場は大混乱している。地元住民や関係者は驚いている。私たちは、これ以上の地元置き去り、学校現場軽視はないと考える。府教委はただちにこの方針(案)を撤回し、関係者に謝罪することを強く要求する。
今回の発表は、第1に、「関係者に十分説明する」「地元の理解を得る」という、これまで府教委自身がたびたび表明していた立場からも大きく逸脱するものである。この間の説明会や懇談会で「十分説明した」と言うなら、府教委の考える「説明」「理解」とは、この程度のものかと驚きを禁じ得ない。例えば、これまで何度も名前があがっていた城南高校生徒会は、「教育委員会、学校は生徒にきちんと説明を果たすべき」と要求し、校長も生徒会との話し合いを継続している。こうした努力がされている時にこのような発表を行うことは、学校現場の努力を無にする暴挙である。
第2に、いかに「発展的統合」と弁解しようと、私たちがくり返し指摘してきたように、「府立高校つぶし」に他ならないことが明らかになった。たとえ「城南」の名称を残した校名にしようが、南八幡の校地を「南キャンパス」と呼ぼうが、府立高校を2校廃校にすることに何ら変わりはない。「校舎が狭い」「グランドが離れて立地」などの理由をあげているが、高校つぶしの苦しい言い訳に過ぎない。それこそ狭い校舎に10学級以上の生徒を詰め込んで、何十年も放置してきた行政の責任こそ問われなければならないのである。経済的効率を優先し、安上がりの教育をすすめようとする府教委の姿勢がいっそう鮮明になった。「特色づくり」の名で普通科をへらし、専門学科や中高一貫教育の導入をすすめることが、競争と選別をいっそう激化させ、子どもたちを苦しめることになることは火を見るより明らかである。
第3に、トップダウンで上から押しつけられる「高校改革」「教育改革」の典型を示すものである。新聞報道では、統合後の学科編成から単位制・総合選択制導入などの教育システムまで及び、挙げ句の果てに府立桃山養護学校の閉校まで触れられている。統合校の校名は「PTAや同窓会関係者らで構成する検討組織で議論する」とまで報じられ、さらに「府教委幹部」のコメントまで登場する有様である。学校現場にとっては、まさに「寝耳に水」である。誰も求めていないものを「改革」と称して学校現場に押しつける「府立高校再編」の正体が明白になったものである。
第4には、廃校になった城南高校と南八幡高校の校地に新設の養護学校を建設するとし、それぞれ2011年度と2010年度の開校としている。府教委は「高校統廃合とリンクしていない」と再三にわたって答弁してきたが、これがすべて虚偽の答弁だったことが明らかになった。しかも今から5年後、6年後の建設である。「地元の養護学校に通えるよう、今すぐ建設を」という切実な願いを踏みにじるものであり、まったく許せないものである。ここにも安上がりの教育をすすめようとする姿勢が如実に表れている。
以上の点から、今回の方針(案)なるものはまったく容認できないものである。府教委は、地元の合意も学校現場の理解も得られない「再編計画」を撤回することを重ねて要求するものである。
私たちは、学校関係者のみなさん、地元住民のみなさんと力を合わせて、府民の大切な財産である府立高校を守り、充実・発展させていくために全力をあげて奮闘するものである。
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