文部科学省は四月二四日、全国の小学校六年生と中学校三年生を対象に、国語と算数(数学)のテストを実施し、都道府県別に平均点を公表する方針です。また、生活習慣や学習環境も併せて調査するとしています。
その上、テストの解答用紙や家庭の状況などの回答は、小学校は(株)ベネッセ(=進研ゼミを事業の一つにする受験産業)、中学校は(株)NTTデータ(旺文社グループの企業と連携)に学校からそっくり郵送され、大切な個人情報がすっぽり特定企業の手に渡る体制です。国民の私生活全般を、国家と特定企業が握るということは、憲法の国民主権原則、第十三条の個人の尊重・生命・自由・幸福追求の権利、十九条の思想および良心の自由に反し、個人保護法の趣旨にも違反するものです。
小・中学校の序列化と、競争と格差が強化される危険
すでに学力テストが行われている東京都では、学校選択制とも結んだテスト結果の公表によって、各学校や自治体が序列化・ランク付けされ、「入学者ゼロ」の学校が生み出されています。四〇年前に実施された「全国いっせい学力テスト」は、点数主義を煽り、都道府県間・学校間の競争激化をまねき、平均点を上げるために、成績不振の子どもを休ませる、カンニングを推奨・黙認することまで起こり、教育の営みが破壊されました。こういう中、教職員は父母・国民と共に「学力テスト」闘争に立ち上がり、四年後に中止に追い込みました。
子どもと国民の私生活情報がすべて奪われる危険
各学校に届いた調査の実施マニュアルでは、学校名、男女、組、出席番号、名前(フリガナ)を学力調査、学習状況調査に書かせるようになっています。学習状況調査には昨年秋の予備調査でも九二問にも及ぶ質問項目があり、「家の人に大切にされているか」「家には何冊くらいの本があるか」携帯電話で通話やメールをどのくらいするか」「旅行に行くか」「朝食を毎日食べているか」「一週間に何日塾に通っているか」など趣味や娯楽なども含む私生活全般を問うものになっています。
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「早寝早起き朝ごはん」―文部科学省が国民運動推進
安倍首相の教育再生会議は「社会総がかりで教育再生を」と強調、文部科学省は「家庭における食事や睡眠などの乱れは、個々の家庭や子どもの問題として見過ごすことなく、社会全体の問題として地域による、一丸となった取り組みが重要」と、家庭生活に公然と介入し、運動化しようとしています。
家庭調査の結果を、学力調査と同様に扱われると「早起き市内一位○○中学校」「朝食一〇〇%達成○○町」など、学校や自治体をランク付けすることも可能となります。改悪教育基本十条で、家庭の自己責任を強調し、国家が示す徳目の注入そのものです。
